骨盤底筋体操や治療薬「スピロペント(塩酸クレンブテロール)」を服用しても症状の改善がみられない場合や、尿もれの程度が重い場合には、手術が検討されます。腹圧性尿失禁の手術にはいくつかの方法がありますが、主流となっているのが、「TVT手術」です。
TVT手術
TVTはTension-free vaginal tapeの略語で、直訳すると「ピンと張っていないテープ」という意味です。この手術では、下腹部や膣を1cmほど切開して、ポリプロピレンという合成繊維でできたメッシュ上のテープを挿入します。
このテープを尿道の下に通して、体内に留置しておくと、テープの網目やその周辺にコラーゲンや結合組織が付着して尿道を支える役割を果たし、腹圧がかかっても尿漏れが起こりにくくなります。
従来の手術では傷跡が大きく残ったり、再発率が高いなどの問題がありましたが、このTVT手術は患者さんの負担が少なく、手術後に長期間安定した効果が得ることができます。
成功率はおよそ90%で、手術を受けた患者さんの80%が全く尿もれのない状態に、10%の患者さんは日常生活に支障をきたすことのない程度にまで改善するとされています。
コラーゲン注入法
動物の体の中に多く含まれるタンパク質で、細胞どうしをくっつける働きがあるコラーゲンを尿道周囲の組織に注入して盛り上げ、尿道の壁を隆起させて尿漏れを防ぐ手術方法です。
患者さんへの負担も少なく、簡単で何度も注入を行なうことができるというメリットがありますが、コラーゲンを入れすぎると尿が出にくくなってしまうことと、コラーゲンが徐々に体内に自然吸収されてしまうというデメリットもあります。